社長のブログ

2022/10/12 15:26

オランダから来日中の得意先を案内して和束町を訪ねました。写真は宇治茶生産の風景として世界遺産登録に向けても重要であるあとされている和束町石寺の「山なり開墾」の今の様子です。一番茶もほぼ終了し、茶色く枝だけになっているのは「中刈り更新」と言い、親葉まで全てを刈り捨て、樹勢を回復し、来年の一番茶に備える、言ってみればデトックスのようなもの。それを囲う畑はほんのりと青くなってきていますので、もう少しすれば二番茶が始まるようです。

市場の方も上場は一部品評会等を残すのみ、契約農家よりの持ち込みも全てが終了しましたので、2015年の一番茶は全てが終了しました。「超」の字がつく短期集中で農家の皆さんは非常に苦労されたことと思いますが、全般に品質の良い年であったと感謝しています。全国的な軟弱相場の影響を受けて煎茶とかぶせは少し弱めの相場展開でしたが、しっかりとした品質の茶を上場された農家さんは増収の家もあったと聞いています。また、玉露も品質の良いものが相場をひっぱり、結局プラスで終わったようです。さすが宇治茶産地、京都ですね。また、昨今の抹茶ブームを受けて原料となるてん茶は昨年の130%!!と抹茶バブルといわれるような相場展開でした。基本的には例年にないほどの品質の高さがその拍車をかけた一方で、価格に見合わない取引も一部に散見され、課題を残す茶期であったと思います。幣社は品質買いに徹しましたが、スイーツに利用しやすい色目重視の品質か美味しく飲んで頂きたい味重視の品質か、そんなせめぎ合いはここしばらく続くものと思われます。

言っているうちに二番茶もまもなく始まります。農家の皆様、そして幣社のお茶をお使いいただくお客様、松北園はこれからも「美味しいお茶」のお届けに向けて日夜邁進します。今後とも宜しくお願い申し上げます。

※2015年6月8日分再掲載