社長のブログ

2022/10/12 15:24

全く勉強をしない、宿題もサボる子供時代を過ごした私には、予習や復習なんて
無縁なものと思っていました。しかし、茶業に携わる様になり、その予習や復習を
するようになりました。お茶は広大な茶畑から単体のお茶が採れるわけでは有りません。
もちろん、九州などの大産地に行けば、そういう畑もあります。しかし、こちら、
中山間地に位置する京都府においては小さな茶畑が山の斜面や谷間に無数に点在し、
無数の品種が栽培されています。それを、丹精込めて栽培して、それぞれの芽の
成長に合わせて摘み採り、小規模な工場で荒茶に加工し、取引の場へと出されます。

よって、我々、茶商の仕入れも、小さな荷口の商品を無数に仕入れて、それを
加工、ブレンドして年間の香味を安定させていくわけです。ですので、仕入れるに
あたっては、各社それぞれの持つ「軸」の様なものが大切になりますし、その「軸」が
ぶれないようにすることに努力しなければなりません。

特に、本年は全ての品種がほぼ同時に進行する「短期集中型」。煎茶、玉露はほぼ
終焉が見えてきましたが、てん茶は今が最盛期の入り口。膨大な荒茶の中から、
自社の「軸」に合うものを仕入れていくわけですが、今日の仕入れがそれで良かった
のか、昨年のお茶と比べてどうか、明日の仕入れをどうしようかと、仕入れた茶
個別やそれらを合組みしたものの品質を確かめる作業を行い、それまでの仕入を
振り返り、次の方針へと反映する作業をほぼ、毎日の様に繰り返しています。
いってみれば「復習」と「予習」です。本日もこれまでの、てん茶の仕入を振り返り
これから迎える生産のピーク、つまりは仕入のピークに思いを馳せました。

私はどちらかというと自分の「直感のようなもの」を大切にしたい、と思っています。
また、幣社仕入チームのメンバーにも常にそう言っています。「自分の感性を磨け、
そしてそれを大切にせよ」と。しかし、それを確かめ、裏付けていく「予習と復習」
がその軸を支えるものです。

※2015年5月22日分再掲載