社長のブログ

2022/10/06 15:37

毎年のことながら、この時期は多忙を極めます。宇治新茶の煎茶は終盤に差し掛かりますが、玉露とてん茶がピークを迎え、連日の入札、農家の持ち込み茶の査定、仲買いのブローカーとの調整に追われます。加えて、営業的にはお中元の出荷が始まり、同時にお歳暮の商談が始まります。そして、他産地の茶商からすれば「なんのこっちゃ?」かもしれませんが、宇治茶を商う我々にとっては、ようやく煎茶のラインアップが揃い、玉露や抹茶も一部新を提供出来始めるので、新茶の販売にも走りまわります。

昨日は久々の休日でしたが、私は高松三越さんでお茶の入れ方教室を行いました。ここでの教室は恒例となり、もう10年ほど続いています。城下町とあってお茶に関心が高いのか、2回の教室はどちらも立ち見がでるほどの盛況となりました。ありがとうございました。少し気になったのは「とにかく甘くないといいお茶じゃない」とするお客様のいらっしゃったこと。お客様のお求めになるものを提供するのが我々の仕事ではありますが、何か日本茶全体が「違う方向」に向かっているように感じました。良好な渋みと清涼感を失っては日本茶の存在理由がなくなってしまう様に感じます。薄口の茶に強い焙煎で誤魔化してしまう、本当にそれでいいのか、大いに疑問を感じます。

さて、本日は月曜日、碾茶の入札日、恐らく、第一回目のピークとなることは間違いありません。少し軟調相場の続く本年ですが、自分自身の目と口と鼻を信じて良質なお茶を買い進みたいと思います。その後夕方の便で出張に出かけます。西へ東へ出張に出かけながら、早朝の便で帰宅、入札をして、また夕方の便で出張へ。そんな日々が続きますが、頑張りたいと思います。

※2015年5月27日分再掲載