社長のブログ

2022/10/06 15:32


玉露の製造が本格的に始まっています。お客様を案内して自社の茶園に行きました。玉露の被覆は茶畑に二重の覆いと側幕を施して遮光、茶樹の光合成を抑制することにより旨み成分であるテアニン、アミノ酸類がエネルギーとして使われて渋みに変換さえることを抑制。結果、旨みが蓄積されるという茶樹の性質を利用した栽培方法です。しかし、最低でも20日の被覆、長ければ40日を超える被覆を施すわけですから、茶の樹に良いわけはありません。ですから、宇治の玉露園では1番茶しか摘採せず、あとの11か月はひたすら次年度のための養生に使われるわけです。

それにしても摘採直前の茶畑は被覆が効いて、葉の一葉一葉は深く濃く染まって、葉薄くなり、漏れ入る日差しが透過してキラキラと輝いています。茶の葉の香りはマスカットやマスクメロンのようなフルーツ様の甘い香りを漂わせて、さながらフルーツの香り漂う宝石箱の中に迷い込んだような錯覚を覚えます。海外からお見えの茶人のお客様も感動のあまりただただ、そこに立ち尽くして、次の茶会へのイマジネーションを膨らませておられました。

この畑の芽は直後に摘み採られて、玉露に加工。さてその結果は?

※2013年5月15日分再掲載