社長のブログ

2022/10/06 15:27

本日の入札はかぶせ茶の良品が並んだ一方で煎茶の品質格差が広がったと感じた相場でした。不順な天候で生産農家の方々は苦労続きとは思いますが、今一度奮起を期待したいと思います。昨日からの雨、恵みの雨となって雨後にはすばらしい品質のものが並ぶと期待しています。

さて、そんな入札から帰ってみると、弊社の契約農家の中でも特に頑固で一番怖い最高齢の生産農家さんがお見えになっていました。持ち込まれたのはゴコウの玉露。写真右の鳥の巣のような茶葉(ちゃよう)がそれ。左の茶葉と比較して茎が目立ちます。何が違うかと言いますと、左は昨今の中心となっている「シゴキ摘み」シゴキは茶の葉だけをシゴくように積まれるのこう呼ばれます。茎がない分、均一に染まりやすく、歩留まりも良く、昨今の人気です。対して右は茎ごと折るので「折り摘み」。茎ごと蒸して揉むので、必然的に鳥の巣のように仕上がり、歩留まりも悪くなります。

どちらがいいのかは意見の分かれるところですが、シゴキは上品だけど頼りない、折り摘みはコクがあるけど製造適期の見極めと製造が難しい、というのが弊社の意見。これらがバランスよく配置されてこその伝統的な宇治玉露だと考えています。

因みに左は昨日の宇治白川玉露1号。右は今では少ない京都市の玉露の1号。昨日の玉露とはまた違って強い香気と深い旨味を併せ持った品質でした。「旨いですね!」と声をかけるとニッコリ。玉露の製造も本格的に始まてこれから3週間は宇治新茶の一番多忙な時期となります。

※2013年5月11日分再掲載