社長のブログ

2022/10/06 11:48

静岡で開催された日本茶鑑定士協会の緑茶の品種を鑑定してその可能性を探る二日間の研修に参加してまいりました。

二日間に渡って約60の品種を20人の鑑定士が審査して、その結果を今後の在り方を探ろうとする会合でした。お茶の品種といいますと「やぶきた」が有名ですが、それ以外にも優秀な品種はあります。「さえみどり」や「アサツユ」は比較的有名かも知れませんが、煎茶の中心地静岡県はやぶきた比率が高く、静岡の次に大きな生産量のある鹿児島県に普及している品種が一部紹介されているに過ぎません。

それに対して、玉露やてん茶を生産する京都府や八女茶の福岡県には様々な品種が普及しています。先述のアサツユも実は京都府で選抜された品種ですし、アサヒ、ゴコウ、といった品種も覆い下のお茶には欠かせない品種です。

実際の鑑定を進めている時に「この香気はすごいね」と鑑定士仲間の間で話題になったお茶がありました。それはなんと京都府の推奨品種で覆下には欠かすことのできない品種「さみどり」。実は密かに注目しておりまして、路地栽培のさみどりは松北園の煎茶には欠かすことのできない品種なのですが、改めて品種に取り組もうとするときに、多くの鑑定士が注目するような品種、それをはるか昔に選抜して使い続けているという事実。こういう積み重ねこそが宇治茶の強みであると、先人の苦労に思いを新たにしました。

※2012年11月20日分再掲載