社長のブログ

2022/10/06 11:07

六月に入りました。遅れ気味に始まった京都市場ですが、5月末で煎茶はほぼ終了、玉露も終盤に向かい、てん茶もピークの後半に差し掛かっています。その合間をぬって現地二泊の強行軍でラスベガスで開催されたWorld Tea Expoというトレードショウに参加してきました。
今年で10回目の開催、私は四回目の参加です。今やスペシャルティティーの一大消費地となったアメリカで開催されるトレードショウとあって世界中から茶商が集います。イギリス有名ブランドのテイスター、ドイツ人有名ブローカー、アメリカ人有名茶商、インド人茶商、台湾の有名茶園オーナーと国内に留まっていてはない出会いがあります。

日本からも数社の出展があります。現地法人を持つ人達。つまりはそれ位の本腰でないと成功しないということのようです。後継者が現地に住んでやっておられるパターンが多い様です。松北園さんもそうされないんですか?との質問をいただくことが有りますが、私の答えは「ノー」。現地に生まれ、現地に育ち、その上で茶への愛情と情熱を持つ人に勝てるわけがない。そういった人達の中から、信頼出来るパートナーとジックリとお付き合いしたい。そんな風に考えています。現在弊社の茶は欧米諸国に広くご愛顧いただいていますが、いずれも私が自らの家族や師と呼べるパートナーを通じて輸出されています。

アメリカは茶ブームの中にあると言われていますが、ここ数年は参加企業も参加者も微減にあります。「お茶は儲かると思うのか次々に新規参入してくる。ほとんどが消えて行くけど、少ない成功例を大企業が買収する。そうしてまた潰れてしまう。お茶って本来もっと地味なことの積み重ねがないと続かない商材なのに」某有名茶商のアメリカ人とドイツ人ブローカーとの会食の席、そんなことが話題になり、「あぁ、やはり真面目な茶商は世界のどこにいても同じことを感じてるんだ」と、納得しました。ブームは終焉に向かっているという声がある一方で、茶は確実に根付いているという声も多く、茶を商うものとしては嬉しい限りです。その会食は全米でも有名なイタリアンステーキハウスのCarnevinoという店であったのですが、デザートの茶のメニューにほうじ茶があったことが印象に残りました。


※2012年6月6日分再掲載