社長のブログ

2022/10/06 10:52

入札から帰った午後、宇治市の白川地区の玉露の生産家が玉露1号の持ち込みに来られました。品種はサミドリ。毎年、この時期の玉露はこちらが期待するよりも覆いが浅く感じられ、秋口に出して観て、「思ったより良かったな」と後から見直すことが多いもの。しかし、今年は晴天と高温に恵まれ、茶葉(ちゃよう)は深く濃く染まり、素晴らしい香気をはなっています。味はサミドリらしくサラリとしてして、それでいて深い旨味。写真でみると水色が煎茶の水色と比較して赤黒く濁って見えるけれども、これはサミドリの特徴。これからひと夏を越した後の姿がまた、楽しみです。また、収量も大減産の昨年と比較して5キロ程多く、生産農家さんの表情も明るく見えました。

そうこうしていると、ご近所の茶問屋の社長、桑原秀樹氏が訪ねてこられました。氏は茶への造詣が深く、私自身も茶業に就業してから色々と教えていただいた大先輩です。この度写真の書物「抹茶の研究」を出版され、その一冊をお持ち頂きました。ここ数年、日本各地の書庫や産地に足を運び、古い資料の掘り起こしや聞き取りをされていたことは存じあげていたのですが、その集大成がこの書物。ペラペラとめくってみると、その情報量の多さ、質の高さに圧倒されました。抹茶についてのバイブルとなることは間違いないと思います。桑原社長ありがとうございます!

あまり経験したことのない生産期と仕入方針に悩むことの多い今茶期。しかし、宇治らしい話題に立て続けに接して、来週への意欲が湧いてきました。明日の日曜はゆっくりと休ませていただきます。

※2012年5月12日分再掲載