社長のブログ

2022/10/05 18:01

気温が28度まで上昇した昨日、業務終了後に宇治田原町の手もみ保存会の研修に参加させていただいてきました。会のメンバーの茶生産農家である下岡君とは京都府茶業研究所の研修生時代の同期で、以来、親しくさせて頂いてます。松北園からも私を含めて7名の社員が参加、茶の基礎である手もみを学ばせて頂きました。


平場、宇治市にある弊社の自家茶園のさえみどりが比較的よく芽が伸びているので、その新芽を手摘みにより収穫、7キロの新芽を研修工場へと持ち込みました。

現代の機械製茶も基本的にはこの手もみを機械に置き換えたに過ぎません。
煎茶製法は宇治田原出身で今は木幡のとなり六地蔵にある永谷園さんの先祖、永谷宗円により考案されました。それが全国に伝播し、静岡を中心に伝承されている「宇治製法」とその後宇治を中心に改良された「宇治茶製法」と微妙に違いはあるのですが、その基本はほぼ同じです。

蒸し→葉うち→粗揉→揉念→中揉→精揉→乾燥

の工程を5時間強かけて行い、手もみでは1台の焙炉で500g程度。
この時間をかけて「組織を破壊しアクを抜きながら保存しやすいように揉みこみ、お湯をかけた時にじんわりと展開するように成形」するわけです。
それにしてもこの苦労を実体験してみるとお茶がいかに貴重品であるかがわかります。

出来あがった荒茶

さて、開けて本日、松北園に持ち帰った荒茶を早速精選仕上げました。手摘み、手もみしたお茶ですので、精選仕上げも手で行います。日本茶業の奥の深いところはこういった畑から工場まで自らの手で作り上げることを知る数多くの匠達の存在にあると思います。

出来あがった最終製品は香高く、素晴らしい品質を持っていました。本年度の新シーズンが本当に楽しみになってきました!



本年度の宇治茶の初取引は4月30日。当日上場されるお茶は前日の29日に製造されます。それらは「宇治茶1号」となりますので、本日出来あがりのお茶は言ってみれば「宇治茶0号」という感じでしょうか。いよいよ、宇治新茶始まります!ご期待ください!!

追伸
出来あがりのお茶は販売の予定はございません。ご了承ください。

※2012年4月26日分再掲載